スコティッシュフォールドの愛らしい外見に心を奪われる人は多いですが、その可愛さの裏には健康問題や寿命についての課題が潜んでいます。
特に立ち耳と折れ耳では、病気のリスクが異なるとも言われています。
この記事では、スコティッシュフォールド立ち耳の寿命や病気の確率、価格相場、そして後悔しないための飼い主の心構えまで、幅広く解説します。
これからスコティッシュフォールドを飼う予定の方、すでに飼っている方も必見の内容です。
スコティッシュフォールド(立ち耳)の平均寿命は他の猫と比べて約2歳短い
スコティッシュフォールド(立ち耳)の寿命は他の猫と比べて短い?
そもそも
- スコティッシュの立ち耳と折れ耳で平均寿命に違いがあるのか
- 立ち耳スコティッシュフォールドと他の猫の平均寿命に違いはあるのか?
詳しく解説します。
折れ耳と立ち耳のスコティッシュで寿命は変わる?
結論から言うと、スコティッシュフォールドの折れ耳と立ち耳で寿命が変わるという明確なデータはありませんでした。
しかし、折れ耳のスコティッシュフォールドは、程度の差はあるものの遺伝的に骨や関節の病気を持っています。
その関節の痛みによって、運動不足やストレスにつながる場合があります。
一方で、立ち耳のスコティッシュフォールド(スコティッシュストレート)は、このような遺伝的な問題のリスクが低いとされています。
そのため、立ち耳のスコティッシュフォールドの方が平均寿命が長いと考えられます。
立ち耳スコティッシュフォールドの平均寿命は?他の猫との比較
明確な実証はされていませんが、一般的には立ち耳スコティッシュフォールドの平均寿命は10~13年と言われています。
アニコム家庭どうぶつ白書2022によると、スコティッシュフォールド(折れ耳も含む)の平均寿命は13.6歳という結果が出ています。
統計年度 | 平均寿命 |
---|---|
2020年度 | 13.6歳 |
2019年度 | 13.7歳 |
猫全体の平均寿命が15.62歳であることから、スコティッシュフォールドの平均寿命は他の猫に比べて約2歳短いといえます。
猫の平均寿命は15.62歳(2010年比+1.26歳)。
引用元:令和4年 全国犬猫飼育実態調査
しかし、スコティッシュフォールドは、遺伝性疾患や食事などに注意を払うことで、より長生きする可能性が高まります。
スコティッシュフォールドはその可愛らしい外見と人懐っこい性格でとても人気がある猫種です。
しかし、この品種は「骨軟骨異形成症」によって耳が折れる特徴があり、この遺伝的特性は関節や軟骨にも影響を与える可能性があります。
そのため、定期的な健康診断と早期発見、早期治療が重要です。
食事にも注意が必要で、特に腎臓に負担をかけないように、高品質なキャットフードの選び方が大事です。
また、病気になった場合の治療費は高額になることも多いため、ペット保険の加入も考慮すると良いでしょう。
立ち耳スコティッシュフォールド病気になる確率
折れ耳スコティッシュは骨や関節病である「骨軟骨異形成症」のリスクが高いと言うのは前述のとおりです。
一方で、立ち耳のスコティッシュはどうでしょうか?
立ち耳×立ち耳の交配で生まれたスコティッシュフォールドであれば、
「骨軟骨異形成症」になる確率は低いと言われています。
というのも、スコティッシュは交配によって立ち耳か折れ耳かどうかが決まるからです。
下記のようにスコティッシュ同士の交配の場合は3つのパターンが考えられます。
交配 | 子供 |
---|---|
折れ耳×折れ耳 | 折れ耳 |
折れ耳×立ち耳 | 折れ耳 3割、立ち耳 7割 |
立ち耳×立ち耳 | 立ち耳 |
折れ耳のスコティッシュフォールドが持つ可能性のある「骨軟骨異形成症」は遺伝性の疾患で、痛みや歩行困難を引き起こすリスクがあります。
しかし、立ち耳同士の交配の場合、このような遺伝子を持っていない確率が高いため、骨瘤ができるリスクは低いとされています。
ただし、一つ注意点があります。
立ち耳であっても、親猫のどちらかが折れ耳である場合、軟骨形成不全の遺伝子を持っている可能性があるということです。
ですから、立ち耳のスコティッシュフォールドを飼う際には、親猫の遺伝子についてもしっかりと確認することが大切です。
スコティッシュフォールドかわいそうと言われる理由と早死のリスク
スコティッシュフォールドはその特異な耳の形状から多くの人々に愛されていますが、「かわいそう」ともしばしば評されます。
この評価の背後には何があるのでしょうか。また、この猫種が抱える早死のリスクとその予防方法についても探っていきます。
「かわいそう」と言われる背景と病気の可能性
スコティッシュフォールドが「かわいそう」と言われる理由は、その特異な耳の形状が遺伝的な健康問題に直結しているからなのです。
この折れ耳は遺伝子の変異によって形成されますが、この変異が猫の関節や骨にも影響を与えることが科学的に証明されています。
特に、関節炎や軟骨の異常が発生しやすいとされており、これらの症状は猫にとってかなりの苦痛をもたらす可能性があります。
つまり、その可愛らしい耳が、実は健康上の大きなリスクを抱えているわけです。
このような事実を知っていると、スコティッシュフォールドを飼う際にはより一層のケアが必要だという認識が深まります。
遺伝的な問題は避けられないかもしれませんが、知識と愛情をもって接することで、少なくともその苦痛を和らげる手立ては考えられるでしょう。
早死のリスクとその予防方法
スコティッシュフォールドは遺伝的な要因で関節疾患や他の健康問題が起きやすく、その結果、早死のリスクが高いと言われています。
だからといって諦める必要はありません。そのリスクは、しっかりとした予防策によって軽減することが可能です。
- まず第一に、定期的な健康診断が欠かせません。
早期に問題を発見することで、適切な治療やケアが行えるのです。
- 次に、食事と運動にも注意が必要です。
バランスの取れた食事で体調を整え、適度な運動で筋肉や関節を健康に保つことが大切です。
さらに、家の中の環境も工夫することで、猫の健康をサポートできます。
例えば、関節に負担をかけないように、低いキャットタワーを選んだり、柔らかい床材を使用したりするといいでしょう。
スコティッシュフォールドが20歳まで生きた例はある?
他の猫に比べるとやや短命であるスコティッシュですが、20歳まで生きた例はあるのでしょうか?
この記事では、20歳以上生きたスコティッシュフォールド、そして長寿の秘訣について解説します。
20歳まで生きたスコティッシュの例はある!
実は、20歳以上生きたスコティッシュフォールドは存在します。
2017年に、21歳のスコティッシュフォールドがケベック州で最古の猫として登録されました。
Cachou, a 17-year-old dog, and Hortense, a 21-year-old cat, are province’s oldest registered pets
(17歳の犬のカシューと21歳の猫のホーテンスは、州で登録された最高齢のペットである)
引用元:CBC NEWS
この猫の名前はホーテンスで、折れ耳の短毛種のメス猫です。
飼い主によると、ホーテンスちゃんは多くの時間を睡眠に費やしていたとのこと。
この事例からもわかるように、適切なケアと環境が整えば、スコティッシュフォールドも長寿を迎える可能性があります。
スコティッシュ長寿の秘訣は?
スコティッシュフォールドが長生きするための秘訣はいくつかありますが、特に重要なのは「睡眠」と「健康管理」です。
ホーテンスちゃんの例でもわかるように、適切な睡眠時間が長寿に寄与しています。
また、定期的な健康診断と獣医師との密接なコミュニケーションも必要です。
特に、スコティッシュフォールドは骨の病気にかかるリスクが高いため、早期発見・早期治療が大切です。
さらに、ホーテンスちゃんの飼い主曰く長寿の秘訣は「お気楽な性格」なんだとか。
Her owner thinks her longevity is due to her easy-going personality, in spite of being blind.
引用元:CBC NEWS
(飼い主は、目が見えないにもかかわらず、彼女が長生きしているのは、お気楽な性格のせいだと考えている。)
ストレスを溜めにくい性格だったのかもしれませんね。
スコティッシュフォールド(立ち耳)の値段と後悔する可能性
スコティッシュは人気の猫種のため、購入には高い費用がかかることも少なくありません。
また、後で後悔するケースもあるのが現実です。
この章では、スコティッシュフォールドを購入する際の価格相場、選び方、譲渡会での注意点、そして後悔しないための心構えについて詳しく解説します。
立ち耳スコティッシュフォールドの価格相場と選び方
立ち耳スコティッシュフォールドの価格相場について。
立ち耳スコティッシュフォールドの子猫は10万円から30万円程度が相場とされています。
折れ耳になると+5万ほど値段は高くなる傾向にあります。
折れ耳は病気のリスクが叫ばれながら、折れ耳の方が人気があり、高く売れるため販売が続けられています。
立ち耳のスコティッシュフォールドでも人気の高毛色や血統によっても価格は変動します。
- 赤茶色
- クリーム
- ホワイト
次に、選び方ですが、ペットショップで購入する場合と、里親から迎える場合があります。
ペットショップでは、獣医師のチェックや保険がついていることが多いですが、価格もそれに比例して高くなります。
一方、里親から迎える場合は費用が抑えられますが、病気や性格についての詳細な情報が少ない場合もあります。
譲渡会での注意点
スコティッシュフォールドを譲渡会で迎える場合、いくつかの注意点があります。
- 猫の健康状態の確認
- 団体の信頼性の確認
まず、猫の健康状態をしっかりと確認することが重要です。
特に、耳や関節の状態に注意を払い、必要であれば獣医師の意見も求めましょう。
次に、譲渡会が信頼性のある団体であるかどうかを確認することも大切です。
信頼性のある団体であれば、猫の健康状態や過去の飼い主の事情など、詳細な情報提供があります。
これによって、猫との新しい生活がよりスムーズに始められます。
スコティッシュフォールド後悔しないための飼い主の心構え
スコティッシュフォールドの可愛らしさに心を奪われ、つい衝動的に飼い始めてしまうと、後々その決断を後悔することもあります。
- 骨の病気にかかりやすいこと
- 寿命が短めであると言うこと
これらを知らずに飼い始めた飼い主さんが後悔することに。
そのため、スコティッシュを飼う時にはしっかりと心構えが必要です。
やることは主に2つ!
猫図鑑や信頼できるウェブサイトを参考にして、スコティッシュフォールドの特性や病気のリスクについて深く理解することがが大切です。
骨の病気になりやすいこの猫種の場合、柔らかい床材を選ぶ、キャットタワーは低めのものを選ぶなど、猫の体に負担をかけないように配慮することが大切です。
このように、スコティッシュフォールドを飼う際には、事前の準備と環境作りが不可欠です。
これらに注意を払うことで、愛猫との生活をより豊かで、何より後悔のないものにすることができますよ。
スコティッシュ(立ち耳)の平均寿命と早死のリスク:まとめ
スコティッシュフォールドはその愛らしい外見で人気を集めていますが、その背後には健康問題や寿命についての様々な課題が存在します。
- 立ち耳のスコティッシュフォールドの平均寿命は10~13年
- 立ち耳×立ち耳から生まれたスコティッシュは「骨軟骨異形成症」の確率は低い
- スコティッシュのへ平均価格は10〜30万程度と幅広い
スコティッシュの病気や早死リスクを知らないで飼うと後悔する可能性が高くなります。
しっかりとスコティシュについて理解して飼うようにしましょう!