スコティッシュフォールド繁殖禁止の国はどこ?日本で禁止になる可能性も

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スコティッシュフォールドと聞いて、多くの人がその可愛らしい折れた耳を思い浮かべるでしょう。

しかし、この愛らしい特徴が、実は健康問題を引き起こす可能性があることを知っていますか?

この記事では、スコティッシュフォールドの繁殖がなぜ禁止されているのか、さらに、繁殖が禁止されている国々を一覧でご紹介します。

そして、最後に日本ではこの問題がどれだけ認識されているのか、繁殖に対する規制や議論があるのかを明らかにします。

この記事を通して、スコティッシュフォールドの現状を理解し、彼らが健康で幸せな生活を送るために何ができるのかを考えてみましょう。

この記事の結論

スコティッシュフォールドの繁殖禁止の動きがある国はオランダ、オーストリア、ベルギー、ノルウェー、スコットランド、ドイツ、オーストラリア、アメリカ、フランス

目次

なぜスコティッシュフォールド繁殖禁止されているの?

スコティッシュフォールド繁殖禁止されているのはなぜ?

「スコティッシュフォールド繁殖禁止されているのはなぜ?」という疑問、気になりますよね。

この可愛らしい折れ耳が特徴のスコティッシュフォールドは、日本を含む多くの場所で大人気のペットです。

でも、実はこの愛らしいネコちゃん、大きな健康問題を抱えているんです。

スコティッシュフォールドが繁殖禁止されている主な理由は、

折れ耳のもつ遺伝性疾患によって、
多くの健康問題を引き起こす可能性があるから。

このような健康問題を持った猫をこれ以上増やさないために繁殖禁止がされています。

スコティッシュフォールドの折れ耳は「骨軟骨異形成症」という遺伝性の疾患によるものです。

この病気によって、関節が痛みや多くの健康問題を引き起こすことが、動物愛護団体や病院からも指摘されています。

日本でも、環境省やいろいろな動物福祉団体がこの問題に取り組みはじめています。

日本の動きについては、記事後半で詳しく解説します。

2023年現在、繁殖が禁止されている国も増えてきていて、ブリーダーやペットショップも、この事実をしっかりと理解する必要があります。

私たち飼い主としても、この情報をしっかりと把握し、新しい家族を迎える前によく考えることが大切ですよね。

スコティッシュフォールド繁殖禁止されている国はどこ?

スコティッシュフォールド繁殖禁止されている国はどこ?

スコティッシュフォールドの可愛らしい折れ耳に心を奪われる人は多いですが、実はこの品種はいくつかの国で繁殖が禁止されています。

じゃあ、「スコティッシュフォールドが禁止されている国はどこですか?」と気になる方も多いと思います。

現在、スコティッシュフォールド繁殖禁止されている、もしくは今後繁殖禁止の動きがあるのは以下の国です。

  • オランダ
  • オーストリア
  • ベルギー
  • ノルウェー
  • スコットランド
  • ドイツ
  • オーストラリア
  • アメリカ
  • フランス

なぜそうなったのか、根拠も併せて見ていきましょう。

オランダ

オランダでは平らな顔の犬や耳の折れた猫など、健康に問題をもたらす可能性のあるデザイナーアニマルの繁殖が2014年から禁止されています。

2023年にはさらに、スコティッシュフォールドの飼育も禁止される可能性が検討されています。

Minister Piet Adema (LNV) kondigt vandaag vergaande stappen aan richting een Nederland waarin geen enkel huisdier meer hoeft te lijden onder zijn of haar uiterlijk. Er wordt gekeken naar twee verboden voor dieren met schadelijke uiterlijke kenmerken, zoals katten met vouwoortjes.

(ピート・アデマ大臣(LNV)は本日、外見で苦しむペットがいなくなるオランダの実現に向けた広範囲な措置を発表した。折れ耳の猫など、外見に有害な特徴を持つ動物について、2つの禁止措置が検討されている。)

引用元:オランダ中央政府

オーストリア

オーストリアでは2020年に、スコティッシュフォールドの繁殖が禁止されました

オーストリア動物福祉法は、残酷な繁殖や、不適切な飼育条件に当てはまる動物の輸入、購入、仲介、譲渡、展示を禁止しています。

この規定に違反した場合は、高額の罰金が課される危険があります。

この措置は、ネコの健康と福祉を守るために取られました。

Das österreichische Tierschutzgesetz verbietet es, Qualzüchtungen vorzunehmen oder Tiere mit Qualzuchtmerkmalen zu importieren, zu erwerben, zu vermitteln, weiterzugeben oder auszustellen. Wer gegen diese Bestimmung verstößt, riskiert eine hohe Geldstrafe.

(オーストリア動物福祉法は、残酷な繁殖や、不適切な飼育の特徴を持つ動物の輸入、購入、仲介、譲渡、展示を禁止しています。この規定に違反した場合は、高額の罰金が課される危険があります。)

引用元:Tierschutz Ombudsstelle Wine

ベルギー

2021年10月1日から、ベルギーのフランドル地方では折れ耳の猫の繁殖と販売が禁止されています。

これは、折れ耳が引き起こす可能性のある健康問題に対処するための措置です。

Sinds 1 oktober 2021 is het kweken en verhandelen van fold katten verboden.

(2021年10月1日より折れ耳猫の繁殖と取引が禁止となりました。)

引用:ベルギーフランダース州公式HP

ノルウェー

2023年に、ノルウェー食品安全局はスコティッシュフォールドの繁殖が動物福祉法に違反していると発表しました。

この猫種の繁殖や購入を控えるよう呼びかけています。

Det er i strid med dyrevelferdsloven å avle på kattetypen Scottish Fold, slår Mattilsynet fast i en pressemelding. Samtidig oppfordrer Mattilsynet til å la være å etterspørre og kjøpe slike katter.

(ノルウェー食品安全局はプレスリリースで、スコティッシュフォールドの猫を繁殖させることは動物福祉法に違反していると述べた。同時に、ノルウェー食品安全局は、そのような猫を求めたり購入したりしないよう人々に奨励しています。)

引用元:VG

スコットランド

スコットランドはスコティッシュフォールドの発祥の地ですが、ここでも繁殖が禁止されています。

新たな法律が協議され、多くのペットが非合法化される可能性があります。

The Scottish Government recently closed consultation on new legislation regarding designer dog and cat breeding, which could outlaw a number of pets under new licensing regulations.

(スコットランド政府は最近、デザイナー犬と猫の繁殖に関する新しい法律に関する協議を終了した。現在、決定に先立ち、回答が検討されている。)

引用:THE SCOTSMAN

ドイツ

ドイツの『動物保護法』では、体の一部または器官が欠落または変形し、痛みや苦しみが生じると予想される繁殖が禁止されています。

さらに、「動物福祉法第 11b 条の解釈に関する報告書」ではスコティッシュフォールドもその中に含まれています。

引用:Gutachten zur Auslegung von Paragraf 11b des Tierschutzgesetzes

オーストラリア

オーストラリアのビクトリア州では2021年からスコティッシュフォールドの繁殖が禁止されています。

「病気の原因となる遺伝的欠陥をもつ動物の繁殖に関する実践規範」の中で、遺伝性疾患をもつ品種としてリストアップされています。

Cats

  • Polycystic Kidney Disease.
  • Folded ears associated with osteochondrodystrophy (Scottish Folds).
  • Aplasia or hypoplasia of long bones (Munchkin cats or Twisty Cats).
引用:Agriculture Victoria

以下日本語訳↓

  • 多発性嚢胞腎
  • 骨軟骨ジストロフィーに関連する折れ耳(スコティッシュフォールド)
  • 長骨の無形成または低形成(マンチカン猫またはツイスティ猫)

アメリカ

アメリカではニューヨーク州で、2024年12月にペットショップでの犬や猫、ウサギの販売が禁止になる予定です。

そんななか、2024年12月にはニューヨーク州のペットショップで犬や猫、ウサギの販売が禁止になることが決定。(既に、カリフォルニア州やイリノイ州、ワシントン州、インディアナ州で同様の法律が存在。)

引用元:SDGs MAGAZINE

フランス

フランスでも2024年に、ペットショップでの犬や猫の販売が禁止される改正法が可決されました。

フランスでも、2024年にペットショップなどで犬や猫の販売が禁止される改正法が可決。動物のショーケースでの展示やインターネットで一般の人が犬や猫の販売を行うことも禁止されます。

引用元:SDGs MAGAZINE

日本でスコティッシュフォールド繁殖禁止になる可能性は?

日本でのスコティッシュフォールド繁殖禁止の動き

日本でのスコティッシュフォールド繁殖禁止の動き

日本でも、スコティッシュフォールドの繁殖についての議論が急速に広がっています。この背景には、折れ耳のネコが抱える健康問題への懸念があります。

多くの専門家や動物愛護団体が、折れ耳が関連する可能性のある健康問題について警鐘を鳴らしています。

そんな中、2022年5月11日に環境省の松本啓朗・大臣官房審議官が参院消費者問題特別委員会で、この問題に対する「規制の適用のあり方を検討する」という発言をしました。

さらに、環境省は、獣医師関係団体、動物愛護団体、そしてペット関連の業界団体からも意見や知見を集めると明言しています。

  • 福島みずほ君 
    • 猫で、折れ耳の猫ちゃんというか、猫でスコティッシュフォールド、すごくかわいらしい猫がいます。そして、非常に人気があるわけですが、この折れ耳のスコティッシュフォールドは軟骨、骨軟骨異形成を発症すると。
      これは遺伝性疾患であり、折れ耳・折れ耳だと折れ耳、折れ耳と立て耳だと折れ耳が半分、立て耳・立て耳だと立て耳というふうに明らかに遺伝性が、あっ、遺伝性疾患であると。
      骨軟骨異形成ですので、やはりなかなかしんどいというか、しんどいというふうに、猫自身のやっぱり病気があるというふうにも言われています。  
      折れ耳のスコティッシュフォールドはこの骨軟骨異形成を発症することがあり、これは遺伝性疾患を抱えているとの指摘がありますが、環境省の見解はいかがでしょうか
  • 政府参考人(松本啓朗君)
    • 委員御指摘のとおり、折れ耳のスコティッシュフォールドに関する昨今の研究におきまして、骨軟骨異形成の発症につきましては遺伝性疾患であること、そしてまた、症状の程度には個体差があるという報告があることは承知してございます。
      こうした遺伝性疾患を有する個体を人為的に繁殖させることについて様々疑問を呈する声があることも承知してございます。  
      一方で、これまでつくられた様々な犬猫の品種そのものの在り方が問われる問題でもありますし、また、スコティッシュフォールドのように、御指摘のとおりペットとして人気が高い、飼育愛好者も多い品種におきましては、繁殖を規制することに伴う社会的な影響も相当大きいものと考えてございます。このため、規制の適用の在り方を検討する際には客観的な事実と国民的な議論の積み重ね、そうしたものが必要であると考えております。  
      環境省としては、折れ耳のスコティッシュフォールドの繁殖規制の適用の在り方につきまして、獣医師関係団体、動物愛護関係団体、ペット業界団体等の知見と御意見をよく伺いながら検討してまいりたい、このように考えてございます。
引用:国会議事録検索システム

これは、繁殖や飼育に関する責任をしっかりと考え、可愛らしいスコティッシュフォールドたちの健康と幸せを守るための大切な第一歩です。

今後、環境省がどのような規制を設けるのか、その動きが非常に注目されています。

この可愛いネコちゃんたちが健康で幸せな生活を送れるよう、我々もその動きをしっかりと見守り、理解と協力を深めていく必要があります。

この問題に対する理解が深まれば、スコティッシュフォールドたちも、より健康で幸せな日々を過ごせるでしょう。

総括:スコティッシュフォールド繁殖禁止の国は増えている!

今回はスコティッシュフォールドの繁殖が禁止されている国と、日本でのその動きについて探っていきました。

  • スコティッシュフォールドが繁殖禁止される理由は、この猫種が抱える健康問題、特に骨や関節の疾患が原因とされている。
  • 次に、繁殖が禁止されている国はオランダ、オーストリア、ベルギー、ノルウェー、スコットランド、ドイツ、オーストラリア、アメリカ、フランス
  • 日本では環境省が、「獣医師関係団体や動物愛護団体、ペット業界団体からも意見や知見を集める方針」と発言。

この記事は、スコティッシュフォールドの繁殖に関する国際的な規制と日本での最新の動きを総合的に解説していきました。

特に、健康問題が主な禁止の理由であり、多くの国で法的な措置が取られていることが強調されています。

日本でも、この問題に対する関心が高まりつつあります。

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